真珠の「核入れ」作業。

こんにちは!

前記事の続きです。

前記事では「続きは明日!」って書いたけど、

二日後になっちゃいました(^_^;

いろいろ締切とか重なってたんで・・・。

さて。

ヤマトヤの真珠をつくってくれている桑山さんの、真珠養殖現場に到着した私たち。

さっそく色々と見せてもらうことに。

・・・と、その前に、ひとつ解説を。

丸い真珠ができる原理

二枚貝である真珠貝(あこや貝)の中に「核」と呼ばれる貝殻を丸く削ったものと、「ピース」と呼ばれるあこや貝の外套膜と呼ばれる部位の細胞片を入れ、それを海で養殖することで、核のまわりに光沢のある真珠層が生成されてできる、というものです。

原理的には、明治時代に御木本幸吉氏らによって考案された仕組みと変わっていません。タヒチやオーストラリアなどで、黒やゴールドなどの真珠も養殖でつくられていますが、作業の原理は同じです。

この「核」を貝の中に挿入する作業を、「核入れ」「玉入れ」「挿核」などと呼んでいます。

では、現場に入りまーす!

「核入れ」 = 手術。 麻酔もします。

作業場に入ってすぐ、水が溜められた四角いバケツが目につきました。

これは、海水に「にがり」を加えたものだそうです。

豆腐を凝固させるものと同じ成分のアレです。

真珠貝に核を入れる作業は、貝にとっても痛い目に遭うわけなので、麻酔が必要です。そこで使用するのが、にがり。にがりには麻酔効果があるそうで、ここにしばらく沈めて真珠貝を麻痺させ、麻酔が効いているうちに核入れ作業をするのだそうです。

人間の手術といっしょですね。

麻酔が効いているあこや貝。

ぱっと見、ホタテのようにも見えますね。

真珠の母貝となる貝の大きさもまちまちですが、あこや貝は大きくても手のひらサイズくらい。今回、核入れをしていたのは、もう少し小さめの貝でした。

核を入れる微妙な位置決めが、仕上がりを左右します

さて、いよいよ核が貝の中に入ります。

麻酔の効いている真珠貝を開きます。

核とピースを挿入する場所は、貝の「生殖巣」。

そこを切開して、核とピースをいれます。

手前の白くて丸いのが、核。

ちいさいまな板の上に載っているのが、ピースです。

ちなみに、核はアメリカのミシシッピー川に生息している、厚みのある貝の貝殻を丸く削ったものが主に使われるそうです。

ピースは、真珠を育てる母貝とは別のあこや貝から切り取られてきます。真珠を育てる母貝は健康で丈夫な貝、ピースを採取する貝は真珠層が美しい貝、それぞれ専用のものなのだとか。いわば生体移植、ですね。

ピースは1~2mm四方ほどにメスで切られており、その小さい片と丸い核を密着させて挿入します。

この核入れ作業は、真珠の養殖においてかなり重要な作業。

核とピースが離れてしまったり、核を入れる位置がずれてしまったりすると、海で養殖をしている間に核を吐き出してしまったり(脱核)、美しくない真珠になってしまったり、貝が死んでしまったりします。

また、正確さ・技術と同時に、スピードも求められます。何万もの貝を養殖している桑山さんはヘルプも頼んでいるそうですが、この作業を何週間もかけてしまうと次の作業に影響が出てしまうため、手際よくささっと次々に挿核を行っていました。

この作業が終わった後、貝は海に沈められて、真珠を育みます。

以前も真珠の核入れを見せてもらったことはあるのですが、ここまで間近で、生産者さんのリアルな話を聞きながら見ることはできたのは初めて。養殖中の海の上での苦労はいろいろと伺っていましたが、また違った面からの生産者さんの苦労と努力、そして情熱を感じることができました!

次は、海上の現場のこと書きますーーー!