時計のガラスの材質と傷つきにくさのお話。

こんにちは!

ヤマトヤのアオシマです。

前回のブログで、時計のガラスの素材に部分的に触れたので、きょうは、そのお話。

いま流通している時計のガラス素材は、大きく分けて、3種類あるんです。

【サファイアガラス】

▲ボーム&メルシエ ケープランド(私物)

入社記念に買った・・・イヤ、買ってもらった時計です(笑)

宝石のサファイアと同じ科学組成の物質を人工的に作り、時計のガラスとしたもので、本当にキズが付きにくくて耐久性が高いです。だいたい5万円以上~の時計に採用されていて、プロトレックのように外観は同じだけどガラスの違いで価格が高い、なんていうものもあります。

上の写真でも、14年前に買った時計ですが、時計のまわりの金属部分はキズけっこうあるものの、ガラス部には全くキズがみられません。サファイアガラスを使っていることは、時計選びのポイントのひとつです。

で、サファイアガラスに弱点はないのかというと・・・あります。

それは、「ピンポイントの衝撃を受けると割れる」というもの。

ヤスリでこすってもガラス自体にキズは付きませんが、キリみたいなもので上からガツンと叩かれると、割れる恐れがあります。硬度は高いけど、「靱性」=しなやかさがない素材です。日常使用では割れることはなかなかないですが、過信はしないように・・・。

【クリスタルガラス】

▲前回に続いて登場・カシオ G-SHOCK RISEMAN(私物)

メーカーにより「クリスタルガラス」「無機ガラス」「ミネラルガラス」「ミネラルクリスタルガラス」など、呼び方に違いがありますが、いわゆる普通のガラスです。モデルによりますが、5万円以下の時計はクリスタルガラスが多いです。

決してキズつきやすいというわけではなく、日常で長ーく使ったらちょいちょい欠けやキズが入っていたということが多いレベル。厚みを増すことで防水性能も十分確保でき、ダイバーズウオッチなどのハードな仕様が見込まれる時計でもクリスタルガラスが使われています。

【プラスチック風防】

▲オメガ・スピードマスタープロフェッショナル(私物)

ご覧の通り、擦り傷がけっこう見えます。。どうしても日常使いで小キズがつくので、現在では何か理由がない限りはほとんど採用されない素材です。(オメガではこのプラスチック風防を「ヘザライト」と呼んでいます)

このモデルは、NASAによる月面着陸ミッションに装着する時計として選ばれたというストーリーのあるモデルです。そのため、今も同デザインで当時の仕様のプラスチック風防と実用性重視のサファイアガラス版、2種類がリリースされています。

NASAに採用された理由のひとつが、無重力空間において風防が破損して飛び散るおそれの少ない、割れにくく衝撃に強いプラスチックであったことだとか。つまり、プラスチックは、「キズはつくけど、割れにくい」素材なんです。

ガラスとプラスチックの板、落とすとガラスは割れるけどプラは割れません。

尖ったもので引っかくと、ガラスは無傷だけどプラは傷がのこります。

サファイアガラスは、さらにひっかき傷に強いけど、割れるときはバリッと割れます。

ま、日常でサファイアガラスが割れるほどの衝撃ってなかなかないので、時計ではサファイアガラスが現状では最も便利な素材と言えるでしょう。長ーく使う予定の時計には、サファイアガラスが用いられていることを条件のひとつにするといいかと思います♪

というわけで、きょうは時計のガラスのお話でした。

では、おやすみなさい!