こんにちは!アオシマです。
昨日発生した栃木県の雪崩事故で、生徒と先生が亡くなられたという報道。私・アオシマはスキーが好きで、今後はバックカントリーにも行きたい!と思い、雪崩の講習に行ったりもしているので、今回の事故は、胸が痛むばかりです。亡くなられた方のご冥福、心よりお祈り申し上げます。
あまり事故や事件について思うことをブログで書いたりしない自分ですが、今回の事件は、報道を見る限り「なぜ・・・」と思う気持ちが強かったので、書いてみたいと思います。
那須雪崩 NPO法人理事「雪崩発生しやすい典型的地形」
(毎日新聞)
上記記事でインタビューに答えている出川あずささん、2年ほど前に自分が受けた、日本雪崩ネットワーク主催の雪崩講習に参加したときの講師なんです。
(※レベル別に雪崩講習を行ってくれているので、バックカントリーにチャレンジしたい人はおススメです!)
(雪崩講習を受けているときの様子)
雪を柱上に切り出した状態のものを上から叩き、雪崩発生の危険性を探る「コンプレッションテスト」実習です。
↑↑↑ ちょっとマニアックな情報でスイマセン。でも、雪崩が起きないかを見極める上で、とても重要です。
雪崩は、表層から見えない部分が雪崩の要因になることもあり、経験豊富なヒトでも完全に見切れるものではありません。
ですが、雪の状態や地形などから、雪崩が発生しやすい地形は予測することができます。今回、雪崩注意報が出ていた上に、吹雪の天候の中で、なぜ、雪崩が起きやすい地形のポイントに集団で行ってしまったのか・・・。
そして、もうひとつ。
雪崩犠牲の高校生 全員「ビーコン」不携帯
(日テレNEWS24)
雪崩講習を受けたときの様子です。
※ビーコンを使い、雪崩に仲間が巻き込まれた状況で、仲間を探し出すという実習です。
ビーコンとは、位置を知らせる電波を受発信する道具で、バックカントリー必携のツールとされているものです。
通常の雪山では、グループ全員一台ずつ所持し、電波発信モードで行動します。いざ「同行者が雪崩に巻き込まれた」となったときに、無事なヒトが電波受信モードに切り替えます。そうすることで、発信モードのままのビーコン(つまり、雪崩で埋まった人が持っているビーコン)の位置を指し示してくれるものです。要は、コレを持っていることで、助かる確率が格段に違います。
「ビーコンを持っている=助かっていた」というわけではありませんが、安全に雪の登山をする方法を学ぶ講習会で、ビーコンを全員不携帯。これは、準備段階で甘かったとしか言えないのでは。
自分は幸いにも山でほんとに危険な状況に陥ったことはないので、「山を甘く見るな」とか、自分には言い聞かせますが、まわりに向かってえらそうに言う気はありません。重いコトバとして発言できないですからね・・・。
中止の選択肢はなかったのか?とか、色々思うところはありますが、自分ができることは、
たとえスキー場敷地内や夏山であっても、「危険を回避すること」。
自分の身を守るための装備をきちんと整えてから行くこと。
天候や体調で不安を感じたら、ムリしないこと。
身近なヒトへのできる限りの安全啓発を行うこと。
多少、危険が伴っても、その先にある風景や到達したときの達成感、そして、スキーだったらそこから滑降する爽快感。山には、危険回避さえすれば、本当に魅力があります。
このような惨事が二度と起きないように、山LOVERのひとりとして対策を願うばかりです。